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老化を防ぐ体内物質として、CoQ10(コーキューテン)という成分が医療現場で注目を集めている。
CoQ10は、CoenzymeQ1o(コエンザイムQ10)の略称で、栄養学的には酵素の働きを助ける補酵素の一種として知られている。CoQ1oには、細胞のエネルギー生産、つまり細胞を元気にして体を若返らせる働きがあることが明らかになっている。細胞のエネルギー生産を促進する作用は、医学的にも証明されており、1974年にはユビキノンの名で心不全の治療薬に承認されている。では、なぜCoQ10が老化防止の物質として注目されているのか。
■老化の元凶「活性酸素」を強カにブロック
人間の体は約60兆個もの細胞で出来ており、心臓や脳、血管は全て一つ一つの細胞が集まってつくられている。これらの細胞が歳を重ねる“加齢"に伴って変化していくことが「細胞の老化」と、言われる。肌のシミやシワ、白髪といった老化現象(加齢変化)の原因には、遺伝子異常やホルモン異常などが考えられるが、最大の原因は、実は生命維持に欠かせな酸素の副産物である「活性酸素」である事が、医学的に解明されている。
活性酸素は、その毒性から体内に侵入してくるウイルスなどを排除する働きがある反面、必要以上に発生すると細胞を酸化させ、様々な器官を傷つけてしまうことになる。 解りやすく言えば、鉄が酸素でさびてしまうように、細胞が活性酸素によってさびて破壊されるという事である。
老化の現れである肌のシミも、活性酸素で細胞の中の脂質が過酸化され、その過酸化脂質によってコラーゲンというタンパク質がさびてしまった状態を指す。老化の元凶である活性酸素とそれによって生成される過酸化脂質を強力にブロックする作用があるのがCoQ10なのである。
活性酸素を防御する働きを「抗酸化作用」というが、CoQ10は、ビタミンCやビタミンE以上に抗酸化作用を発揮することが、最近の医学研究によって解明されている。
東京大学大学院助教授の山本順寛氏の研究報告によれば、ビタミンEが存在していてもCoQ10がなくなると、過酸化脂質が増加し、またビタミンCがなくなってもCoq10が存在する間はか過酸化脂質の生ほぼ成が完全抑えられる事がわかった。
年齢を重ねても若々しくいられる状態を医学的に“抗加齢"と呼んでいるが、活性酸素を強力に防御するCoQ10は、まさに抗加齢医学の主力物質と言える。
国民の予防意識が強いアメリカでは、既にサプリメントとして人気が高く、今後本格的にな高齢化社会を迎える日本においてもCoq10は一番注目の成分と言える。
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スタチン系医薬品と「CoQ10」
高脂症患者は、「CoQ10」の補給を
高脂血症治療薬として繁用されているスタチン系の医薬品は、コレステロール生合成系の律速酵素(注)であるHMG-CoA還元酵素を阻害することにより、血清コレステロール値を速やかに低下させ、血清脂質を改善させる。しかし、この医薬品はコレステロールと同じ経路で合成されるCoQ10の生合成も阻害するため、生体のCoQ10が関わる生理機能に何らかの影響を及ぼす可能性がある。
CoQ10は、生体のエネルギーを産生するうえで必須の因子であり、抗酸化作用などの重要な生理機能を担っている。CoQ10は、日本では1974年から代謝性強心剤としてうっ血性心不全の症状改善に有効とされ、最近では健康食品としても市販されている物質である。
我々は、昨年11月にロンドンで開かれた第3回国際CoQ10学会「The3rd Conference of Internationa1 CoenzymeQ10 Association」において、スタチン系医薬品服用時には血清中のCoQ10値が低下し、酸化ストレスに対する抵抗性が減少することを報告している。従ってスタチン系医薬品服用時には、CoQ10を併用することが望ましいことを指摘している。とくに生体のCoQ10は、年齢とともに減少し、しかもスタチン系医薬品を服用する患者の多くが高齢者であることを考えると、普段からCoQ10を健康食品などで十分補給しておくことは重要であるかもしれない。
(注)律速酵素
鍵酵素、ぺ一スメーカー酵素。生体内の一連の反応において(この場合、コレステロールが体内で作られる過程で)その反応の全体としての速度を支配する酵素。その結果、この酵素により生体でコレステロールが作られるのが制御されている。
■ 美肌をつくる「CoQ10」(健康新聞記事より)
CoQ10は、美容素材としても注目されている。美容外科に日本で初めてメディカル・エステという考え方を取り入れた鈴木晴恵医師(京都市・鈴木形成外科院長)は、CoQ10の強力な抗酸化作用に着目して、スキンケアや肌の治療に応用している。
鈴木医師は、シミやあざのレーザー治療のパイオニアで、またレ一ザー脱毛、ケミカルピーリング、脂肪注入などを自ら試し、安全性と有効性を確認して治療に取り入れている。元々 鈴木医師は美容外科にレーザー及びILP治療法を導入したり、イオン導入器や美白外用剤による治療法を考案するなど、独自の治療法を開発する医師として有名だ。
その鈴木医師がCoQ10に着目したのは、シワ治療に使われるレチノイン酸などの薬剤とは異なり、刺激が全くなく、肌に優しいため、目元などのデリケートな部分にも塗布できる点。また、塗布しても肌に確実に吸収され、少ない用量でも肌の奥深いところにある真皮まで浸透するので毎日塗ることにより、着実に真皮を再生させ、肌にはりを戻すことができる点である。
鈴木医師がCoQ10に興味を持ったのは、ドイツ・ハンブルクにある皮膚研究センターのホッペ博士の論文を目にしたのがきっかけだった。微量のCoQ10を含んだ外用剤を使用したところ、数カ月でシワが改善したというホッペ博士の研究を知った鈴木医師は、さっそくアメリカからCoQ10クリームを取り寄せて試すことにした。
「一般にシワの治療には、レチノイン酸やアダパレンという薬剤を使いますが、改善効果がある半面、刺激が強いために、ただれや発疹などの副作用が出る場合があります。これに対してCoQ10が入ったクリームは、強力な抗酸化作用で改善が見られ、しかも刺激がないので安心して使えます」(鈴木医師)。
どこの部位でも塗布でき、昼夜問わず、いつでも楽に使えるのがCoQ10クリームの特微。3年前に使いだした当初は、海外の友人皮膚科医に依頼して作ってもらったクリームを輸入していたが、日本でもCoQ10を化粧品に配合できることになったため、この春には鈴木医師処方のオリジナル品が完成するという。
米国では、美容目的でCoQ10のサプリメントを購入する人が増えているが、日本でも外面ケア(化粧品)と内面ケア(サプリメント)の両面でCoQ1oを利用する人が増えそうだ。

コエンザイムQ-10 大塚薬報より
コエンザイムQ10(補酵素Q10ともいう)は、近年多くの研究で注目を集めるようになってきた。この重要な物質は、とくにエネルギーの産生、転移、あるいは抗酸化作用によって、ヒトの健康に深く関与している。コエンザイムQ10の重要な機能のすべてが十分に解明されているわけではないが、心臓および心血管系の保護、糖尿病、線維筋痛症、片頭痛、脳および神経系の機能、さらには癌に対する役割が明らかにされている。コエンザイムQ10のたくさんの多様な機能は、体内に広く分布していることと関係しており、それによってコエンザイムQ10が多くの生体反応に関与できるようになっている。
コエンザイムQ10は、1957年にFrederick Craneによって初めて発見された。1978年には、Peter
D.Mitche11がコエンザイムQ10の特殊な機能を明らかにし、ノーベル化学賞を受賞した。それ以来、多数の研究によってコエンザイムQ10に対する理解が深められ、多くの重要な機能が次第に明らかになり、医療従事関係者から強い関心が寄せられてきた。
コエンザイムQ10に関する研究は継続的に行われており、酸化ストレス、癌の進行、心疾患、免疫機能、およびその他の疾患に対する特異的な作用に焦点があてられている。
コエンザイムQ10とは何か?
コエンザイムQとは、酵素が正常に作用するために不可欠なもので、自然界に存在する一群の化合物の仲間である。ヒトにはコエンザイムQ10が必要な形態であり、化学名は2,3一ジメトキシー5一メチルー6一ポリイソプレン・パラベンゾキノンである(ユビキノンとも呼ばれる)。コエンザイムQ10は、生体膜に直接入り込める化学構造を有しており、生体膜で大部分の活性を発現する。また、疎水性であるため、一般に血液中よりも組織中に高い濃度で存在している。
ヒトの体内では、コエンザイムQ10はコレステロールの合成経路を経て生合成されるが、食物からも摂取している。血中コエンザイムQ10濃度は1日の間で変動するが、組織中の濃度は比較的安定している。コエンザイムQ10濃度が高い部位は、心臓、肝臓、腎臓、および膵臓で、もっとも濃度の低い部位は肺である。
コエンザイムQ10の生物学的機能
コエンザイムQ10は、人体で多くの生物学的機能を有している。もっとも研究された機能は、ミトコンドリア内でのエネルギー産生のための共役である。ミトコンドリアは、生体の細胞内におけるエネルギーの産生装置である。コエンザイムQ10は、電子と陽子が行ったり来たりすることにより、エネルギー回路を駆動させながらエネルギーの産生に関与している。この過程は、高エネルギーをもつ分子(ATP)を生成する酵素の作用と共役している。
最近の研究では、コエンザイムQ1oは、その広範な分布から、多数の細胞シグナル伝達過程および遺伝子発現にかかわっていることが明らかになった。とくに、いろいろな細胞機能に関するシグナルは、過酸化水素の産生により誘導される。コエンザイムQ10は、この機能を介して細胞シグナルの転移や遺伝子発現調節を行い、事実上健康に広く関与していると考えられる。
コエンザイムQ1。と抗酸化物質との相互作用
コエンザイムQ10自身、抗酸化物質であるが、最も重要な作用の一つは、他の抗酸化物質の再生である。コエンザイムQ10は、ビタミンE濃度の約30倍の濃度で細胞膜中に存在し、フリーラジカルの主要なスカベンジャーとして作用する。酸化ストレスを受けている間には、細胞膜内のコエンザイムQ10濃度は増加する。
ビタミンCとEは、ヒトにおける重要な抗酸化物質である。生体では、炎症反応、免疫反応、および環境によってフリーラジカルが生成される。フリーラジカルは、正常な組織に損傷を与え、健康に障害を与えるものである。ビタミンCとEなどの抗酸化物質は、フリーラジカルを無害な化合物に変化させる。コエンザイムQ10は、ビタミンCおよびEを再生させる作用がある。
コエンザイムQ10濃度の日内および季節的変動
最近ヨーロッパで行われた研究において、コエンザイムQ10の濃度は日内変動することが示された。日内変動は、約1日間を1周期とする生物学的周期で、“生物時計"(bio1ogica1c1ock)ともいわれる。血漿コエンザイムQ10濃度は、夜間や早朝は低く、反対に日中や夕方は高く午後4時ころがもっとも高い。また、食物からの摂取によっても、コェンザイムQ10濃度が一時的に上昇することがわかった。
これらの結果から、コエンザイムQ10の薬物学的体内動態(合成、食物からの摂取、分布、排泄など)が、日内変動を決定しているということが示唆された。
また、同研究では、コエンザイムQ10濃度が季節的な変動を示すとともに、このような変動には人種による違いが見られることも明らかになった。白人の場合、血漿コエンザイムQ10濃度は一貫して10月のほうが4月よりも高かった。意外なことに、アフリカ人の場合、コエンザイムQ10濃度の日周期的変動、または季節的変動のいずれも認められなかった。さらにアフリカ人の血漿濃度は白人よりも高かった。このような知見をさらに詳しく調べるため、現在も研究が続けられている。
カンジダとコエンザイムQ10
カンジダアルビカンスは、健康な成人の20%以上が感染している真菌である。カンジダアルビカンスは消化管に生息しており、抗生物質の服用によって、感染のリスクが増加する。多くの研究において、一部の被験者では、サプリメントを利用しても、血漿コエンザイムQ10濃度が上昇しないことがある。カンジダ感染者は、感染していない人に比べ、コエンザイムQ10の吸収量が低いことを示す報告もある。カンジダが直接的にコエンザイムQ10を取り込むためかあるいは、よりバイオアベイラビリティの低い別の形態のユビキノンに変化させるためではないかと考えられている。
今後、上記相互作用に関する研究が計画されている。
ピペリンはコエンザイムQ10の吸収を増加させる
ピペリンは、黒コショウに含まれる主要な刺激物質で、およそ1〜9%含まれている。ピペリンは、さまざまな薬物や栄養素の吸収を高めることがわかっている。
最近の研究では、5mg程度のごく少量のピペリンによって、コエンザイムQ10の吸収が増加することが示された。120mgのコエンザイムQ10と5mgのピペリンを同時に摂取した場合、コエンザイムQ10を単独で摂取した場合と比べ、血漿コエンザイムQ10濃度が約30%増加した。ピペリンは、薬物や栄養素を代謝する酵素の活性を抑制することがわかっている。
ピペリンは、コエンザイムQ10の作用を上昇させるために活用することは可能であるが、同時に、その他の物質にも同様の作用を及ぼすことに留意しなければならない。
糖尿病とコエンザイムQ10
米国における糖尿病の忠者数は、約1,600万人におよぶ。このうち90〜95%は、U型糖尿病患者である。U型糖尿病の進展と抗酸化物質の体内濃度の間に深い関係があることが研究により明らかにされた。いくつかの小規模な研究では、コエンザイムQ10はβ細胞によるインスリンの生成を増加させることによって血糖コントロールを改善することがわかった。現在のところ、こうした研究を追試する大規模な研究が行われていないが、コエンザイムQ10はU型糖尿病患者に対して有効であることが示唆される。
ミトコンドリア糖尿病(注:ミトコンドリアの遺伝子異常による糖尿病)は、まれに見られる糖尿病の一種で、米国では糖尿病患者の約1%を占めている。日本人ではより多く見られ、総人口の約1.5%に達する。ミトコンドリア糖尿病患者にとって、コエンザイムQ10は、ミトコンドリア機能を高めるとともに、同疾患に対する付加的な作用を及ぼすと考えられる。
脳内のコエンザイムQ10
コエンザイムQ10および関連物質は、脳内に広く分布している。種類、濃度は部位により異なる。コエンザイムQ10が脳の機能に関与しているのではないかという仮説が立てられている。コエンザイムQ10は、他の組織における場合と同様に、脳内のエネルギー産生に関与していることは明確であるが、その他の機能についてはまだわかっていない。
また、コエンザイムQ10は、パーキンソン病およびアルツハイマー病に対して有効であることが示唆されている。一方、最近の2つの研究では、上記疾思患者のコエンザイムQ10濃度は、正常であるという結果であった。脳内におけるコエンザイムQ10機能に関する研究は、現在も継続中である。
コエンザイムQ10と心疾患
コエンザイムQ10は、心臓の機能に必須な物質である。健康な心臓には、比較的高濃度に存在しているが、うっ血性心不全やアテローム性動脈硬化症、虚血性心筋症、狭心症、高血圧症などの疾患では、濃度は低下している。心機能に対するコエンザイムQ10の効果は、抗酸化作用とミトコンドリアのエネルギー産生の両方に関係している。
アテローム性動脈硬化症は、動脈内壁へのコレステロールおよびカルシウムの蓄積によって引き起こされる。アテローム性動脈硬化症の予防および軽減に対して、ビタミンEあるいはコエンザイムQ10の単独摂取よりも併用のほうが有効である。また、コエンザイムQ10は、慢性心不全、狭心症、および高血圧症に対して効果がある。コエンザイムQ10のサプリメントは、心筋内のコエンザイムQ10濃度を高めることにより、うっ血性心不全の症状を改善する。
心疾患に関連したコエンザイムQ10の作用を解明するため、現在もさらに研究が進められており、心臓におけるコエンザイムQ10の特定の機能が明確になるであろう。
線維筋痛症、イチョウ葉エキスおよびコエンザイムQ10
線維筋痛症とは、筋肉痛が特徴であり、二次的症状として、疲労、抑うつ、不眠、頭痛、胃腸障害などをともなう。線維筋痛症患者は、米国人の約2%を占め、そのうち90%が女性である。
毎日200mgのコエンザイムQ10と200mgのイチョウ葉エキスを線維筋痛症患者に84日間投与した研究では、被験者の64%はコエンザイムQ10およびイチョウ葉の併用で効果があったと答えた。コエンザイムQ10は筋肉機能を向上させ、イチョウ葉エキスは血管の機能を向上させることがすでにわかっており、両者の作用が線維筋痛症に対して有効であったと考えられる。研究者は、これらの効果を証明するために追試が必要であるとしている。
コエンザイムQ10は片頭痛を減少させる
米国では、2,800万人以上の人々が片頭痛に悩まされており、男性よりも女性のほうがより発症しやすい傾向にある。片頭痛は、神経および血管の障害の併発によって生じるもので、ストレス、ある種の食物や化学物質、疲労、欠食、あるいは気侯の変化が原因となる。
片頭痛の痛みに対するコエンザイムQ10の効果を評価した最近の研究によると、被験者の61.3%において片頭痛が50%以上軽減された。被験者は1日に!50mgのコエンザイムQ10を3ヵ月間摂取した。1ヵ月後、片頭痛の頻度が13.1%減少し、3ヵ月後までには55.3%減少した。しかし、一部の被験者は効果が認められず、これはタイプの異なる片頭痛であったのではないかと推測される。
コエンザイムQ10と癌および化学療法
腫瘍細胞は、酸化ストレスを増大させる。特に活性酸素あるいはフリーラジカルが悪性腫瘍中で生成され、生体全体としての活性酸素濃度を上昇させる。酸化ストレスの増大は、しばしば抗酸化酵素の過剰産生とコエンザイムQ10の消費を引き起こす。コエンザイムQ10が不足した組織では、悪性腫瘍からの攻撃に対する抵抗力が低下する。
また、癌に対する化学療法もコエンザイムQ10濃度を低下させると推測させた。しかし、いくつかの症例においては、血漿コエンザイムQ10濃度が化学療法によって上昇することが最近の研究から明らかになった。例えば、ドキソルビシンによる治療では、心筋が損傷を受け、コエンザイムQ10が血液中に放出されることを研究者たちは示唆している。化学療法を行う前にコエンザイムQ10サプリメンを摂取することにより、この影響を抑えることが証明された。
癌に対する化学療法とコエンザイムQ10に関する研究は、現在進行中であり、癌の増殖および進展に対するコエンザイムQ10の作用を明確にするためには、さらに研究の実施が必要である。現時点では、健康のために適度なコエンザイムQ10の摂取は必要であるが、癌の治療中は、多量の摂取を避けるべきであると研究者は指摘している。
今後も研究が計画されており、コエンザイムQ10の重要性がより明確になるであろう。
薬物との相互作用
HMG-CoA還元酵素阻害薬
アトルバスタチン(リピトール)やフルバスタチン(ローコール)、プラバスタチン(メバロチン)、シンバスタチン(リポバス)などがあるが、この薬剤は血中コエンザイムQ10濃度を低下させる60mg/日のコエンザイムQ10の摂取により、この低下が抑制された。
ドキソルビシン(アドリアシン)
癌患者の化学療法に用いられる。ドキソルビシンは心毒性があり、コエンザイムQ10濃度を変化させる。化学療法を行う前にコエンザイムQ10を摂取することにより、心毒性を抑制できる可能性がある。
β遮断薬
心臓病の治療に用いられるもので、プロプラノロール(インデラル)などがある。この薬剤はコエンザイムQ10に依存する酵素を阻害する。1日に60mgのコエンザイムQ10の摂取により、この影響が抑制された。
三環系抗うつ薬
コエンザイムQ10依存性の酵素を阻害する。毎日30〜100mgのコエンザイムQ10摂取により、心臓への影響を抑制した。
チモロ一ル(チモプトール)
緑内障の治療に用いられるものであるが、心血管への副作用と関連がある。毎日のコエンザイムQ10の摂取により、副作用が低減する。
ライフスタイルと健康状態
心疾患
多くの心疾患は、酸化ストレスの増加と関連がある。コエンザイムQ10は、健康な心臓に比較的多量に存在し、正常な機能に不可欠なものであると考えられる。心疾患患者、または心疾患の発症リスクが高い人は、心臓の機能および抗酸化物質濃度を高めるために、毎日のコエンザイムQ10摂取が効果的であると考えられる。
U型糖尿病
U型糖尿病患者は、酸化ストレスが増大していることが多い。コエンザイムQ10は、酸化ストレスを減少させ、β細胞を保護する。その結果、インスリン濃度が改善されると考えられる。
線維筋痛症
イチョウ葉エキスおよびコエンザイムQ10は、相互に作用し、線維筋痛症の筋骨格および血管における症状を改善することがわかっている。イチョウ葉エキスおよびコエンザイムQ10をそれぞれ毎日200mgずつ補給することが有効である。
片頭痛
1日に150mgのコエンザイムQ10の摂取は、片頭痛の頻度を低下させることがわかっている。頭痛に悩まされている多くの人びとにとっては、症状を軽減できる可能性がある。
喫煙
喫煙は、酸化ストレスを増大させる。喫煙者は、生体全体的な抗酸化物質濃度を高めるために適度なコエンザイムQ10濃度を保つことが望ましい。
抗酸化サプリメントの利用
コエンザイムQ10は、ビタミンCおよびEの再生に関与しており、これらのビタミンが正常に機能するために必須である。これら3つの抗酸化物質をまとめて摂取すれば、もっとも有効な抗酸化作用が得られるであろう。
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